「敵基地攻撃」審議の前に「日中対話」を
大変結構なことだと思う。ぜひとも早く実行していただきたい、隠居老人は心から願う。
衝突への危険を減らし関係の改善をするには、両国間の対話・協議が必要なことは誰が考えてもわかる。それなのにどうして反対するのか。
日中間の懸案事項としては「中国脅威論」「中国の覇権主義」と関連する領土問題、台湾問題、人権問題などがある。
中国と対決姿勢を強める日本の右派勢力も、上記の懸案事項について中国に抗議する(「主張すべきことは主張する」)こと自体はおそらく反対しないと思われる。だが、双方の主張をかみ合わせることは、誤解が解けたり、解決の道筋を見出したり、さらには話し合い継続を確認するなどして、緊張緩和ムードとつながる可能性が高い。
自民党右派は、そのこと自体を、現時点において好ましいとは考えていないのであろう。「敵基地攻撃」問題審議を今国会の最重要課題のひとつと考える勢力にとっては、日中の緊張関係の存在はそのための大切な舞台装置なのである。
自民党タカ派勢力は、この国会で「敵基地攻撃能力」構築の審議をぜひとも成功させたいと考えている。その大事なときに、前提となる「中国脅威論」「中国の覇権主義姿勢」がゆるみかねない緊張緩和ムード、中国の「平和共存姿勢」「ウイン・ウイン方針」などを聞かされるのは絶対反対、そう考えているのであろう。
他方、平和を願う国民が求めているのは、軍備を増強しなくてすむ国際環境である。中国との対話・協議はそうした環境づくりの大きな第一歩になろう。
政府の対中対話・協議は、今国会における「敵基地攻撃」論議の前に早急になされるべきである。
実はこの二つは同時進行しがたい相矛盾するテーマなのである。 (了)
カットの似顔絵は隠居老人の次男 イラストレーター伊東ゆうすけ
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