(台湾有事) 「たとえアメリカが怒っても、中国と不戦の話し合いを」古賀茂明氏多いに語る

  終戦記念日がやってきた。日中不戦を願うわがブログでも、何かインパクトのあるものを書きたいと考えていたところ、ユーチューブのUIチャンネルで、古賀茂明氏(元内閣審議官、元経済産業省官僚、政治経済アナリスト)と鳩山由紀夫氏との対談を見つけた(今年7月7日配信)。老生の回りくどい論述に比べて、なんと簡潔、明瞭で分かりやすいお話しであることよ。老生の勉強不足かもしれないが、台湾有事に関してここまで率直に語っている論者をしらない。読者にはぜひユーチューブを見ていただきたい(注1)。 
 ここでも、老生が特に感銘を受けた部分の要旨を紹介したい(ほぼ発言どおりだが、読みやすいよう、段落をいれ、中見出しを置き、少し言葉を加えるなどした)。
 

  古賀茂明氏の発言 
戦争は絶対しない)
(政府は)戦争しないための軍拡です、という理屈をいうわけです。そう言われると、やってほしくないけど、まあ、戦争しないための軍拡ならしかたないか、というふうに国民が納得させられている。
 でも、その人たちには、いざというときは、戦争も辞さないという覚悟が心の底にあると思うんです。(政府は)いざとなったら戦争になるかもしれないということを前提にして、だから軍拡なんですと言っている。このことを、我々はよく考えないといけない。 
 国民の立場からみると、ガザとか、ガザはちょっと特殊かもしないが、ウクライナとか、ああいうのを見てると、とにかく戦争になったら、普通の、一般の人たち、特に子供とか女性とか、弱い人たちが圧倒的にひどい目に合うわけじゃないですか(鳩山 そうね)。それから考えると、とにかくそれだけは避けてほしい、と思うのが普通の国民のあり方です。
 そういう意味では、政治家として私が選びたい人は、何が何でも戦争しないという人(鳩山 いいですね・・・日本が攻められてもですか?) 攻められても、何があっても戦争しない、まあ、でも、攻められないようにするというのが一番大事なことですが(鳩山 そうですよね)。 

(台湾有事でも中国との戦争は避けるべき)
 攻められないようにするというは、意外と、そんなに難しくなくて(鳩山 そう思いますよ、私も)、たとえば台湾有事。台湾と中国との間で何かあったとき、今はとんでもないことに、とりあえず「日本よ、(台湾を助けに)行って!」ということになっている、アメリカからね。アメリカの国防長官が言ったのは、日本と韓国、(特に)日本に「最前線に立ってほしい、アジアの有事の場合は」。アジアではと言ってたから、もしかしたら、南シナ海まで入っているのかとちょっと心配になるんですけど(鳩山 入っている可能性がありますね)。
 とにかく、日本だって危なくなるのだから、「まず日本が行け!」みたいなことをアメリカから言われている。日本が行っちゃったら、もちろん、戦争の当事者になっちゃいますし、そうでなくても、アメリカ軍が沖縄の基地から出て台湾で中国と交戦するということになれば、当然、日本はアメリカ側について参戦したということになりますから、沖縄が中国からの狙われる。米軍基地は沖縄だけでなく、今沢とか岩国などいろいろなところにありますから、そういう所から(米軍機が)飛んで行ったとなると、本土だって狙われる可能性がある、ということになっちゃうじゃないですか。 

(事前協議で米軍の出動を断る) 
  だから、一番簡単なのは、これを言うと台湾を見捨てるのか、とよく言われるんですけど、台湾有事は、少なくとも中国の国内の問題なんだというのは国際法上はっきりしている訳ですから、何があっても「日本は台湾有事にはかかわりません」と宣言しちゃえばいい訳ですよね(鳩山 ほう、ほう)。それでアメリカに対しては、「いざということになっても、日本の基地は使わせませんよ」(鳩山 それは言える!)、それを言わないといけない。事前協議制というのは、あることになっているわけです。まあ、密約で(日本は米軍の在日基地からの出動を)断らないという話しもありますけど、でも少なくとも表向きは、事前協議をせざるを得ない、アメリカは。 

(アメリカが怒っても)
 事前協議のときには、日本は「いや、それは困ります」とはっきり言う。その時に突然断ると、なんか裏切り者ということになるので、あらかじめ「これは無理ですから」と言っとけばいい。もちろん、アメリカが怒って、「だったらもう、日本のことなど守んないからな」と言うでしょう(鳩山 いいじゃないですか)。「基地から撤退するぞ」と言うかもしれない(鳩山 言やいいですよ」。 (注2) 

(中国に伝え、互いに不戦を誓う)
 それをアメリカに言うだけでなく、中国にも「われわれは台湾有事のときに一切関与しません。米軍から言われても拒否します。その代わり(日本は、中国にとって全然危なくないんだから)、中国は、日本がそういうことを守っている限り、日本を絶対攻撃しませんということを宣言してください。それが条件ですよ」と伝える(鳩山 なるほどね)。中国がそれを言ってくれないと。 

 アメリカから離れるための最大の条件は中国との間で安定的関係を作るということ、国民から見て、中国とは戦争なんかないよね、と思えるような環境を作れば、アメリカから離れても怖くないわけですから。でも、今はそうじゃなくて、中国はいつ攻めてくるか分かんないぞ、と脅かされていて、その中で、アメリカと離れますというのは、ちょっと怖いねとなっちゃう。そこをどうやって、そういう関係(中国とアメリカと)をつくるかです。(中略)
 中国は、日本に安定政権ができて、習近平さんと日本の首相との間でそういう話をしたいと思っているとおもいます。(後略) 

  注1  古賀・鳩山のユーチューブ対談は、ここ (本稿関連は41分~47分ころ)
  注2  猿田佐世氏も、古賀氏と同じく、日米同盟を弱め、日本の中立化を目指す論陣を  展開している。 ND政策提言など ここ .    ユーチューブの別の番組エアレボリューションでも、猿田氏は白井聰氏らと日米同盟の弱体化(相対化)に向けて気炎を上げている(54分前後)。

                         

 

コメント

  1. 返信
    1. そのために石破政権を応援する、という手は如何でしょうか?

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    2. ここは何らかのカムフラージュが必要だと思うのです。

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