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「ニホン」残酷物語

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   「ニホン」という国がありました。「キシダ総理」が治めています。   海を隔てた西には「中の国」があり、東には海の向こうに「ばいでん大統領」の 「アメの国」がありました。    世界一強い「アメの国」は、新興の「中の国」がわが地位をうばおうとしているのではないかと疑心暗鬼です。てごわい「中の国」と対決するために「ニホン」と「ニチベイドウメイ」を結びます。  「中の国」のすぐ近くの「台の国」には「ハンドウタイ」という宝物があり、「アメの国」はそれがほしくてたまりません。そのうえ、「台の国」を味方につけ、ここに軍事基地を置いて「中の国」に睨みをきかせることができれば最高との野望も持っています。「アメの国」はずるがしこく、「中の国」と戦争になれば、自国に被害が及ばぬよう、「ニホン」を前面に立たせて闘わせようとも考えます。そのため「ニホン」に沢山のミサイル兵器を装備させようと企みます。                                                             「ニホン」には、「ケンポウ9ジョウ」という掟があって、敵の領土を攻撃するミサイル兵器はもってはいけないとされてきました。ミサイル装備をためらう「ニホン」政府に対し「アメの国」は、そんな弱気ではダメだ、「中の国」から核兵器で攻撃されようとしても、わが国の「核の傘」で守ってやらないぞ、などと「脅し」ます。「ニホン」には強い武器を持ちたくてたまらない勢力もいて、ついに「キシダ総理」は自衛隊にミサイル装備を決断します。「テキ基地攻撃能力」とよびます。   そのころ、女流歌人「タワラマッチ」作詞のざれ歌が子どもらの間ではやりました。 ♬  雨 雨 ふれふれ アメの国が 核の傘で おむかえうれしいな ピッチピッチ チャップチャップ  ランランラン  ♬ (字あまりでゴメン! マッチ)  そのうち、「台の国」「アメの国」連合と「中の国」との緊張がたかまり、ついに戦争となります。「アメの国」との約束にしたがい「ニホン」もこれに加わります。「ニホン」は「中の国」の艦船やミサイル基地などにミサイルをボンボン撃ち込みます。気がついてみると、「中の国」に攻撃を加えているのは「ニホン」だけです。「アメの国」は周辺をうろうろするだけで手を汚そうとしません。戦禍は拡がり、「台の国

(敵基地攻撃能力) 平和外交こそ解決の道

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  先日、作家の加賀乙彦氏が亡くなった。老生は、名作「宣告」以来、彼の作品が好きだった。戦争の時代を背景とした「錨のない船」と「永遠の都・7部作」は2回づつ読んでいる。前者は、真珠湾攻撃の直前まで米国で和平交渉に携わった来栖三郎大使をモデルに大使の苦悩と一家の悲劇を描く。後者は、作者自身をモデルに戦争の時代を生き抜いた一族の苦難を描く大河小説である。半藤一利氏らの本で学んだ戦争への道が、いかに人々の苦しみと悲しみをもたらしたか、これらの作品で実感することができた。そして戦争を憎み厭う気持ちを新たにしたものである。  「来栖三郎」から今日的テーマ「平和外交」に想いが飛ぶ。     ☆ 今回、政府が自衛隊に敵基地攻撃能力(反撃能力)を保有させようとする背景に、「中国の脅威」があることはまちがいない。 その攻撃を抑止するために軍事的強化が必要と考えるのである (抑止の理論) 。   ☆ この抑止の理論を批判するのは、そうやさしくない。なにせ欧米では常識的ともいえる防衛理論であり、日本政府に取り入れられ国民も影響を受けて久しいからである。   ☆ ただ、わが国には、この抑止の理論とは真逆の 「憲法9条の精神」 がある。万が一、わが国に脅威を及ぼす国が現われても、 「平和外交によって脅威を除去」 する方法で対処する、との考えである。このことを改めて思い起こしたい。   ☆ 「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と憲法前文にある。9条「戦争放棄」のバックボーン思想である。       諸国民との融和、協調があれば、戦争、戦力を放棄しても、国民の安全と生存が維持できると考えたのである。「抑止の理論」とは全く異なる。      わが国の周辺にもしも「脅威」を及ぼす国が現われたら、外交によってその「脅威」を取り除き、これにより平和を取り戻せ、と憲法9条は命じているのだ。  ☆ わが政府は、自衛隊を設立してから兵力保有を正当化するものが必要となった。憲法9条はもちろん役に立たない。代わるものとして「脅威」と「抑止の理論」が取り入れられた。次第にこの考えが大手を振るようになってきた。そして「平和外交による脅威の除去」という「9条の精神」は影が薄くなり、主役の地位を失っていったのである。   尖閣列島をめぐる中国との確執で