投稿

4月, 2022の投稿を表示しています

台湾有事を日本の有事にしてはいけない

イメージ
  先日、神戸の市民運動グループ「市民デモ兵庫」の学習会でお話しさせていただく機会を得ました。沖縄問題シリーズの一コマでしたが、私は「台湾有事」問題をとりあげ、日本とのかかわり、琉球弧における基地建設、日米軍事共同訓練、新安保法の集団的自衛権行使の危険性などにつき、少しばかり勉強し考えたところをお話しし、オンラインを含め40数名の参加者に聞いていただきました。粗削りな内容でいささか消化不良の感もありますが、市民運動における今後の議論のたたき台の一つくらいの意味で読んでいただき、ご批判くだされば幸いです 。   1 はじめに  みなさんは台湾有事という言葉を聞かれたことがあると思います。中国と台湾との間で武力が衝突し軍事的紛争がはじまる事態を指しています。そして、この衝突は中国が武力で台湾の独立を阻止しようとする意図から生まれるとするのが一般的です。   みなさんはまた「台湾有事は日本の有事」という言葉も聞かれたことがあるのではないでしょうか。中国と台湾との武力衝突が日本に影響を及ぼし日本も軍事的に対応しなければならなくなる危険な事態を指しているようです。    ところが、台湾有事がなぜに日本の有事となるのか、どういう経過でそうなるのかについては、必ずしも明確ではありません。  安倍元首相は、昨年12月に台湾に向けオンラインで講演し「尖閣諸島や与那国島は、台湾から離れていない。台湾への武力侵攻は日本に対する重大な危険を引き起こす。台湾有事は日本の有事であり、日米同盟の有事である。この点の認識を中国の習近平主席は断じて見誤るべきではない」と勇ましい演説をしたそうです。  沖縄の南西諸島が台湾と地理的に接着しているから有事になるかのようです。これは分けのわからない話です。地理的に近い位置にあるからという、それだけの理由で中国が攻撃してくるとは思えません。攻撃すれば日本から反撃されます。台湾との戦闘に精一杯なのに日本までも敵に回すことは中国にとって得なことではありません。 ただ、日本が台湾を支援しようとして中国攻撃の準備をしているというのなら、たしかに中国はそれを阻止しようとして、たとえば自衛隊基地のある南西諸島に先制攻撃してくることはあり得ます。   そうです。台湾有事が日本の有事というのは、台湾にことが起こった場合に、日本が台湾を支援して軍事行動を起こす