はじめまして
はじめまして。神戸に住む伊東と申します。 戦中生まれの隠居老人です。 私は、地元の9条の会に参加し、もともとあった中国に対する関心が一層強まり、会のホームページに現代中国、特に戦争と平和の問題に対する想いを投稿するなどしてきました。 世の中をみると、マスコミを中心に中国に対する批判的意見が圧倒的です。世論調査では、中国を嫌う人が年々増え、今や8割を超えているとか。 もはや現役ではなく静かな余生を楽しむはずだった隠居老人はまことに落ち着かない気分になっております。日中がまた戦争に向かおうとしているのではないだろうか。 そんな折、ある講演会で台湾問題のお話を聞く機会がありました。その後その講師とメールを介して意見を交換する機会にめぐまれ、私の疑問に丁寧に答えていただいてます。ただ、ご意見を読んで反芻を重ねてみると、納得できるものがある一方、さらに疑問が深まるものもありました。老人のボケかけた頭はフル回転です。おかげでときに襲ってくる「老いの寂しさ」を忘れさせてくれます。 私の現代中国に対する思いにも十分な確信があるわけではありません。けれど、中国が怖い国であり、ひたすら非難に値するとの考えにはどうしても同調できません。私の思いは少数意見かもしれない、だが、日中が戦争に向いかねない危険性のあるなか、やたら中国非難、中国憎しに突っ走る人々に、せめて立ち止まって思案のときをもってほしい、できれば中国に対する厳しい見方を少しでも和らげ、敵対・憎悪の念にひと呼吸おいてほしい、そんな訴えも今の世の中に大事なことではなかろうか、それについては隠居老人もなにがしかの役割があるかもしれない、そう考えるに至りました。 それがこのブログを立ち上げた動機です。 もちろん、この「旅」は私自身の中国観に恥ずべき偏りがないか、一歩ずつじっくりと確認するためのものでもあります。 ごく最近出版された佐橋亮教授の「米中対立 アメリカの戦略転換と分断される世界」(中公新書)は、こと細かでむつか しい本ではありますが、アメリカ政府のここ数十年の対中政策を丁寧にフォローしています。その中で、オバマ大統領2期目後半ころから始まった中国の 急激な 経済的軍事的拡張が、アメリカの経済界をはじめ各界に恐怖ともいうべき衝撃を与え、それがここ数年政府の政策転換を促している現状を説明